土曜日, 11月 05, 2005

技術屋視点での東京モーターショー

ちょっと追記(10/7)

キャンギャルの写真なぞ一枚も無い硬派な更新となりますがご容赦くださいませ。あ とコンセプトカーとかいうはりぼて車にも一切興味がありませんので悪しからず。ついでに当方22歳にもなって未だ自動車免許を取得していないほどの車オン チです.よって以下に嘘・大袈裟・紛らわしい記述が含まれている事も無きにしもあらず,です.自分の発言には責任を取る所存ですが,どうか皆さん真に受け ないように.

Mercedes-Benz AMG


左:新型S、右:SLR
相変わらず下品でカッコいいよねSLRは.
これで都内でも走ろうものならパッシングしなくても十戒で海が割れるかの如く,そこらじゅうの車が道を譲ってくれそうですね.カーボンモノコックでFRな車はこれくらいしかないでしょう.

AMGのスーパーチャージドV8

左:そのリショルムコンプレッサ。いわゆるネジポンプ。
脈動が無くて静かだといわれているが
エンジンに搭載した場合は如何に?
左:流行りのターボディーゼルだと思うのですが,良く見ていないので自信無いです。

左:V8、右:V6

昔は「最善か,無か」とか吐き捨てて,あくまで頑固に理性的・合理的車作りに徹してきたベンツ様も,いつの間にやらユーザーに媚びへつらい,マーケットインで車を作るようになってしまった.
トヨタと同じ土俵で戦って,勝てると思ったら大間違いだ!!
俺 は車のような人命や地球環境に直接関わる工業製品にエンドユーザーの意見を載せる事は倫理的に不味いのではないかと個人的に考えております.そりゃマー ケティングも重要だし,ユーザーの意見を参考にするのも良いけどさ,それを鵜呑みにして車作ってちゃお終いだと思うわけ.
(例:安全性を無視した無駄に多彩なシートアレンジや無駄に大量の蓋の無い小物入れ等)
メーカーさんにはあくまでプロダクトアウトの姿勢を保って欲しいものです.
あとVWさんも気がつけば同じ土俵に・・・,
ドイツと日本車の違いなんて今やマッシブさ加減くらいなもの.

Volkswagen

今一番勢いのあるメーカーかもしれないVolkswagen。
得意のV型狭角15°エンジンを拝みたかったが、夢叶わず。
代わりにFSIターボが置いてあったので激写してきた。


吸気側のカム山が一気筒あたり3つあるのは5valveエンジンだから。
直噴とターボの組合せは相性抜群なので、
いつ三菱がやってくれるのかとワクテカしていたのだが・・・・
世界最先端エンジンの一つである。

PORSCHE

厨房の頃熱烈なポルシェフリークスだった俺。
今でも隙あらば結婚したいと思う所存です。

写真右;セラミックブレーキの解説。
バネ下重量、車体のZ軸周りの慣性モーメント、ステアリング系の慣性モーメント、
その全てを劇的に押さえ込んでくれる新技術だ。
ポルシェさんのフロントサスは変なストラットなので,ステアリング系の慣性モーメントを少なくできるこのソリューションはベストマッチだと思う.
(ス トラットってのは操舵時にタイヤ,ブレーキ,アスクルと一緒にストラットも回転するため,その慣性モーメントはとても大きいのだ.ステアリング系の 慣性が大きいとそれだけでもスポーツカーとしては大問題である.さらに今流行りの電動パワステとの相性も良くないだろう.だって,電動パワステってアク チュエータの慣性がメチャでかいんですぜ!?まぁ,運転上手い人やゆっくり町乗りしたい人には関係無い話ですが.)

ポルシェ様ご自慢のフラット6.

ドライ産婦のお陰もあってびっくりするほど重心が低い。
スバルのフラット4とよく見比べて欲しい。

右:エンジンヘッドから見えるヴァリオカム・プラス
左:コストダウンの煽りをうけて日本製になったギアボックス.
ロッカーアームに頼らずにVTECと同等の機能を実現したヴァリオカムプラス。バルブリフター内に機構を押し込むというアイディアはハイパーVTEC(二輪用)そのものであるとも言える.
軽量コンパクトなヴァリオカムプラスとローラーロッカーアームが使えるVTEC,どちらも合理的だがどちらを選ぶかはメーカーの特色次第ということだ.
ポ ルシェ911のギアボックスはワイヤー式のリンケージを採用しながらも,どんな回転数でも吸い込まれるようにギアが入ると評判が良かった.(らしい,俺 は乗ったこと無いがw)それはドイツのギヤメーカーであるゲトラグかZFかヒューランドか,どれだか忘れたけど昔より続く共同開発より得られたものであ り,膨大なノウハウ(歯切り,トライボ,機構学なぞ)の塊であるらしい.その蓄積をスッパリ捨てて日本のミッションに乗り換えたわけだ.そりゃ軽量コンパ クトでスペックシート見る限りは素晴らしい物だろうけどさ,大丈夫かいな?
歯車の研究に関しては日本有数の実績を誇るらしい学科を全く関係ない分野の卒研で卒業したので一応苦言を呈しておこう.どうなんすかねそのあたり=>その辺りの分野の卒研を担当した放蕩しゃんと山ちゃん.

SUBARU


右:スバルのガソリン-電気ハイブリットパワープラント。
説明は全く読んでないけどパラレルハイブリットの一種なんじゃないかな?たぶん,ギアボックスのケーシング内にモーターが内臓されていると思う.

このエンジンやっぱり重心が高いと思うのだがどうだろう?
そしてクランク軸中心が高めにあるがためにデフをトランスミッション下に押し込めているようだ。こうしてスバルはシンメトリー(左右対称)なドライブトレインの構成に成功したのだ。
で、シンメトリだとどんなメリットがあるのかと言われると・・・、

BMW


Rシリーズのエンジンを使用しつつも驚異的な軽量化を実現。コレだけ軽ければどこに行こうが思いのまま。欲しい。

BMW-Mテックの例の物

500PSオーバーのV10にゲトラグの7速セミオートマ。
反則だよ(*´д`*)ハァハァ


bmw k1200s
ついにエンジンを横に置いた新生Kシリーズ。
パワープラントが展示してありましたけど,Kシリーズでもっともホットなトピックスと言えばそりゃあなた,ダブルウィッシュボーンのFサスでしょう.
今後に期待ですね。


珠玉の名作と言い切っていいであろう直6 3リッター。
既に日本車勢は見切りをつけたエンジン形式だがエンジン屋BMWとしてこれだけは譲れないようである。
エンジンを激写していたらそっち系のカメコと勘違いされ、頼んでもいないのに後ろのおばちゃんが俺に向けてポーズを決めてくれた。
あー、ごめん、撮影の邪魔。
お嬢様方のヘソよりもうねりたぐるマニホールドの方がエロいと感じるおいらとしては複雑な心境だ。

フ ロントヘビーな直6FRの重量配分や慣性モーメントを少しでも是正しようとBMが考え出したのがアルミ-マグネシウムハイブリットエンジン。日本車勢が 番手の違うアルミを混ぜて使うだけでブーブー言う人がいるのに、アルミとマグを一緒にしてしまうとは。どうやってリサイクルするんだろうか。イオン化傾向 の小さい方の金属は簡単に精製できるけど、もう片方を取り出すのはけっこう難しいと思うぞ。

AUDI

VWの高級車ブランドであるアウディー。日本でもここ数年でブランドイメージもすっかり定着してしまった感がある。
ピエヒじいちゃんの買い物も無駄では無かったという訳か。

audi V8 turbo
ピストンとか作っているマーレーのブースに置いてあった。

今回一番感銘を受けたエンジン。新型S8用のエンジンで排気量5.2LのV型10気筒エンジン、最高出力331kW(450ps)、最大トルク540N・mとのこと。
それにしてもトヨタ、BM、Audiと皆V10エンジンが好きだね~
でも来年からF1がV8になるから次はV8ブームが来るね
間違いない。

ビックリするほど低重心なこのパワープラント、ベースはランボルのガヤルドのエンジンとのこと。なるほど。
なぜかカムドライブトレインがエンジンの後ろ側にある。

ビミョーに傾いたシャフトでフロントへ動力を伝えているところがポイント。

補器類を片っ端からギアドライブ。不思議な構成だ。




謎のV6エンジン

謎の直4エンジン
車に興味を失ってはや幾年。
中学校の頃だったら一目で搭載車種から型式までだいたい分かったのに・・・、



左:マーレーのピストン
右端のピストンのスカートの短さに注目。
左:最近の6速AT。
複雑過ぎてもはや意味が分かりません。


左:カーボンブレーキ
スペースシャトル先端の黒い部分に使われているあの素材
右:ドライブシャフト(等速ジョイント)
NTNのブースでは「インテリジェントアクスル」が面白かったです。

シフトフィーリングは悪化するけど下手糞でもギアを叩き込めるようになる魔法の機構トリプルコーンシンクロ

先日我がチームがFCC様より頂いたFCC-Track
極めて軽量コンパクトな一種のLSDである。
何度図面を読んでも作動原理がさっぱり理解できなかったのだが実物を手に取って動かしてみると一発で分かった。素晴しい仕組みじゃないですか。でもこれってロッキングファクターの変更できるのかな?


左;チタンホイル。確かに軽い。
どうやって作ってんだこれ.謎は深まるばかり.
右:エアレスタイヤTweel
スペヤタイヤや重くて硬いランフラットタイヤとおさらばできるとしたら、素晴しいことじゃないか。
劇的に動的性能が向上する代わりに劇的に乗り心地を損ねそうな気がするのは気のせいだろう。

左:トロイダルCVT 右:普通のベルトCVT
無段変速摩擦伝達装置はフリクションロスが大きくなりがちな上、高圧油圧回路に馬力を食われるので僕はあまり好きではありません。

BREMBO


右:ランエボとインプのブレーキを並べて展示。

AKEBONO


左:キャリパーサポートまでモノブロックなキャリパー
5軸マシニングで作るのかな?工作機械さえ持っていれば展示品として少数作るのは簡単だと思うけど,これを量産する気があるのだとしたら凄い事です.
右:そのブレーキを魅せるためのMVアグスタF4
カーボンの外装に目を奪われるあまり,誰もブレーキには注目してはいないのではないかと心配になります.

左:チャリンコ用  右:オートバイ用

本田技研工業


SH-AWD。これまた重そうなものを・・・、

左:本田のガソリン-電気ハイブリット
右:4stトライアルバイク.

YAMAHA発動機


FZ-1の後継機。FZも大好きなバイクなので今後が気になるところ。
シート下スペースが大きく空いているけど,マフラーでも詰め込もうかと考えているのかもしれませんね.

SUZUKI


左:会場内で一番気合の入ったカットモデル
ハンドルを切るとそれに合わせてタイヤも切れるし,
アクセルを煽るとそれに合わせてエンジンも回る.
子供達に大人気でした.
左:無段階可変カムプロフィール
エ ンジン好きなら誰もが思いつくアイディアで,俺も高校生くらいの頃に思いついたがカムがどうしても点接触になるため(普通のカムは線接触で面圧が楽)実 現は無理だろうと思っていたのだが・・・,それを克服してしまったスズキは凄い.でも今思えばトラクションのいらないトロイダルCVT程度の技術と思えば 遅かれ速かれどこかが実用化するのかもしれないね.
可変バルタイや可変バルブストロークよりもさらに一歩上を行く技術であり,それをなぜかバイクに持ってくるところが変態スズキらしくてイカス.

右:低迷する400cc市場に新たなる旋風を巻き起こす事ができるのかGSR!!

マツダ

スンスンスーン(´Д`)(゚Д゚)ハァ

水素ロータリー横置きFFドライブトレインが見れるのではないのかと期待していたのですが。

左:MZR-turbo四駆
アテンザのアレ.
右:スマートアイドリングストップシステム。
今回マツダの出品の中では個人的に一番の注目株だ。

ロードスターの足回りとホワイトボディー。

MASERATI


マツダロードスターのパワートレインもこのくらいマニアックに作り込んでくれたらなぁ(*´∀`*)ポワワ
まあロードスターの良さはその安さとほのぼのさ具合であるともいえるわけなので無い物ねだりしても仕方ないかぁ。日本車でココまで作りこむなんて無理なんだろうなぁ。ガックシ。

三菱自動車


左:「ドリフトを許容する」車両運動統合制御技術「S-AWC」
本田のSH-AWDが駆動側だけしかトルク分配出来ないのに対して三菱のAYCは駆動・エンブレ共にトルク配分出来るのが利点(だと思う、うろ覚え)。もっと注目されて然るべきだと思うのだが本田ほどチヤホヤされない悲しい三菱。
右:ランエボ


次世代MIVICエンジンとi用横置きミドシップパワープラント
BMのバルブトロニックの成功により、日本のエンジンは欧州勢に大きく水を開けられる形となったが、これが実用化されれば日本のエンジン技術もまた盛り返すのではないかと。
左下はi専用エンジン。床下に置くための特殊な構成なので「こんなエンジン作って採算とれるのかな」と心配していたのだがSMART社への提供が決まったとの事。なるほどねぇ~

iのフロントセクション

iのリアセクション
アウディーのアルミスペースフレームと普通のモノコックフレームを足して二で割ったようなボディー構成。サイレンサーの形が新しい。

TOYOTA


エンジンのコンセプトモデル
レクサスのLF-Aに搭載するそうな。
正確なスペックは未定というか、開発中なのだろう。
ていうか、このエンジンサッパリし過ぎである。はりぼてかな?

新型縦置きV6プラットフォーム
ついに1JG&2JG系を捨てたトヨタ.ゼロクラウンとかマークⅩに乗ってるエンジンだと思う.


総括
(メカとしても提案としても)中身の無いショーカー見るより部品見てた方が100倍楽しいじゃないか。

ところで幕張メッセへの道半ばでまたもやガス欠の憂き目に.しかも今度は高速道路(といっても浜名バイパスの浜名大橋の上で)!!しょうがないから最寄のインターまでせっせとバイクを押して歩きました.いい運動になりましたよウワァァァンヽ(`Д´)ノ
先日ふたごショーを見に行くときに富士の樹海の真っ只中でガス欠した思い出が蘇ってまいりました.
まあ僕はガス欠なんて慣れっこですけどねw
前の学校にバイク通学していたときも年に一回は必ずガス欠してましたし.

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