木曜日, 10月 29, 2009

ロボットは人間みたいになれるのか。

これを読み物として面白く短い文章にまとめるのは難儀だけど理系の端くれとして挑戦してみよう。
理系だからとりあえず問題を分割してみます。哲学で言う還元主義ね。

まず問題を2分割しよう。
知能、そして動きだ。
具体的には、
①ロボットは人間くらいに賢くなれるのか。
②ロボットは人間のように器用になれるのか。

まずは人工知能とかコンピュータの話をしよう。
人間は考える葦。考えるということこそ人間の本質だと思う。
僕は考える力さえ持っていればそれがサルであれロボットであれイルカであれ、人権を与えても良いと思う。
逆に不幸にも脳死や植物人間になった人はそれが元、人であったとしても特に人権は要らないと思う。
たとえ手足がなくなってもいい、脳みそが僕には一番大切だ。個人的見解だけどね。

前置きはおいといて、
人工知能面は、現在の計算機の枠組みを大きく越えないと人間に近づくのは無理だろうねぇ。
コンピュータに出来ることは「条件分岐」と「繰り返し」
条件分岐は「こういう時はあれをやれ」
繰り返しは「この手順を止めろと言うまでやり続けろ」
これだけなんだよね。
何が凄いかって、今コンピュータで可能な事は全て条件分岐と繰り返しの組合せだけ
可能になってるという現実。面白いよね。
ハリウッド映画で魅せる美しいCGも、心躍るゲームソフトも、楽しいインターネットも
天気予報や津波の予報とかの滅茶苦茶複雑な計算も、
今あなたが商売にしている企業向けのサーバーの中で飛び交う膨大なトランザクション処理も、
それら全部が元をたどれば条件分岐と繰り返しなんだから。
逆にそこが今の限界

今のコンピュータは言われたこと(人間がプログラムしたこと)しか出来ない。
言われた作業をこなすのが限界で、作業を与えてあげるのがSEの仕事だ。

コンピュータには問題解決能力が無い。
与えた課題を超高速に解けるけど、課題を与える能力は無い。特に発見する能力が皆無だ。

一つだけ、ロボットが人間を超えるヒントがあるとするならば、「メタプログラミング」
プログラミング言語をプログラミング言語に書かせることをメタプログラミングというんだ。

人間の知性を全て手順(シーケンス)に落とせるのであれば、
「ロボットは人間くらい賢くなれるのか」の答えはYES。
ハードウエアはムーアの法則で2年毎に二倍高性能になっていく。
数十年後には「ある意味」人間の脳みそを超えるだろう。
でもそのハードウエアの上で走らせるプログラムはまだ人間が書いている。
人間の生産性はハードウエアの進化に比べたら微々たるもの。
だから人間がプログラムを書いている間はソフトウエア的には人間の賢さに敵わないんじゃないかな。
生物でいう進化をコンピュータ側に任せる必要がある。
だからまず作るべきはソフトウエアを書くソフトウエアで更にソフトウエアを書いて(以下無限ループ
ま、夢物語かな。
メタプログラミングと「価値観」さえ与えることが可能になれば、
ロボットは人間のような能力を獲得することが可能になるかもしれないね。

だが繰り返し言うけど計算機には問題解決能力が無い。
問題解決能力ってなんぞ?やって話しだけど、漠然とした、抽象的な問題が解けないということだ。
「この数式を解け」という具体的な問題はすぐに解けるけど
「この問題はどの数式を使えばいい?」には応えられない。
「油田を掘りたいんだけど、人・金・物集めて陣頭指揮して適切にアレンジして」なんてもってのほか。
これが計算機の限界。
ただ、限界ってのはそのうちブレークスルーがあって破られるから
楽観してもいいかもね。

「ロボットは人間みたいになれるのか。」

第二弾は
②ロボットは人間のように器用になれるのか。

人間は「感じて」「判断して」「動く」
さっきのメールは「判断」の部分に着目しました。
今度は「感じる」「動く」の話です。
制御工学は「感じる」「判断する」「動かす」を三位一体で考える学問

「感じる」、二文字熟語でいうなら「観測」
カタカナ言葉でいうならフィーリングじゃなくてセンシングの方ですね。
フィーリングだと「感じる」と「判断」がごちゃまぜだ。

人間でいうところの「五感」
視覚:光を分析する
聴覚:音圧を捕らえる
嗅覚:気体の化学物質の成分分析
触覚:液体の科学物質の成分分析
触覚:温度測定、圧力測定、病気や怪我のアラーム
五感以外だと3半規管が加速度を感じる場所です。

これらを素晴らしいバランスで60kg前後の体に詰め込んだのは本当に凄いです。

個々のセンサーは既に人間を超えた製品があるけど、
全部バランスよく詰め込んだセンサーは無い。

特に目
目の性能は卓越してます。
あの解像度とダイナミックレンジを直径数センチの眼球に詰め込んでしまったことは驚愕だ。

あと10年は勝てない。
でも人間に見えない光は機械の独壇場。
赤よりさらに赤い、体の芯からぽっかぽかの「赤外線」
もっと赤くて食品もあったかくなる「マイクロ波」
それより赤いのがいわゆる電波。テレビや携帯で日頃からお世話になっております。
青より青い光はお肌の天敵「紫外線」
表面の細胞の遺伝子をぶっ壊して癌になる。
もっと青いのがエックス線
貫通力が強いからもっと奥の細胞も壊せるけど一瞬だけなら平気だからレントゲン撮影に使えます。
最強に青いのがガンマ線。これは貫通力強力すぎ。弱ければ癌で済むけど、
沢山浴びると体内の遺伝子全部ぶっ壊されて新陳代謝が代謝が止まって死にます。
こういうバラエティー豊かな可視光線以外の光「電磁波」は機械でしか捉えられない。

耳はもう勝ってると思う。

嗅覚・味覚に関しては性能だけなら人間に比べて桁違いに優れた製品があるけど、
人間ほどコンパクトにまとめた例は無い。
あと、人間の体臭だけで寄ってくる蚊とか、昆虫のセンサーの小ささにはしばらく勝てそうにない。

触覚に関しては圧力と温度を測る機械はいくらでもある。
でも殆どが「点」で計測するんだよね。
人間は面で捕らえる。機械でそれをやるのは難しい。
身近な機械だとノートパソコンやiPodのタッチパネルは面で圧力を捕らえてるけど、温度は一緒に測れないしなぁ。

ともかく人間ってのは高度に最適化されている。バランスがいい。
必要十分な機能を見事にまとめてコンパクトに凝縮されている。これは凄いことです。
しばらく勝てないけど、「考える」程は絶望的じゃないかな。
そのうち技術が追いつく領域です。
「ロボットは人間みたいになれるのか。」
第3弾は「観測」「判断」「動く」の「動く」です。

結論言うと電源さえどうにかなれば大丈夫。そのうち解決します。

「動かす」は完全に物理と数学の世界。
動かすの前置きとしてまず動きの歴史について。

マクロな世界の物体の「動き」に関してはもう18世紀には解明されていました。
有名なニュートン先生がライプニッツと同じ時期に微分と積分を統合した上で
「力学」を殆ど一人で作り上げてしまいました。

物体の運動は現在の速度(運動量)と位置が分かれば
過去から未来まで全部計算可能と言い出したわけです。
これを「ラプラスの悪魔」といいます。

計算できる、ってだけで実用的な計算が出来るとは一言も言ってないんだけどね
何を言わんとするかというと、
例えば明日の天気を計算するために1年かけて計算したら意味ないじゃん。
そういえば数十年昔の話
流体力学の凄い人が本当に明日の天気を数年かけてソロバンで計算していたらしいよ。
当時はきっと馬鹿にされたんだろうけど、とても画期的な試みだ。

でも、コンピュータの進化で最近それっぽいことは出来るようになった。
明日の天気が10時間くらいで大雑把に解けるから天気予報は成り立つ。

もちろん、過去から未来まで全部計算するには
途方もなく巨大な連立微分方程式を解かなければいけない。
地球の未来を計算したければ
地球にある原子一個一個の式を連立して解く必要があるんだから
そりゃ無理な話。

ラプラスの悪魔は19世紀くらいに量子力学さんに否定されたんだけどね。
曰く、ミクロな世界は全部確率に支配されている、と。

あと、19世紀中ごろにアインシュタインの相対性理論で
空間と時間の解釈について大幅な修正を受けた。

でもマクロな世界だとニュートンさんの言うことは馬鹿にできない
実用的かつ十分な精度を持つ近似解だ。

今までは動きの話でした。次は「動かす」です。
これが学問的に注目され始めたのは第二次世界大戦
戦闘機やミサイルを自在に動かしたい、そんな欲求がスタートだと思います。

「こんな力を与えればこう動くよ」
これが戦争前の議論
「こう動かすにはこんな力が必要だよ」
これが戦後。そしてこれが制御工学。

身近な応用例は車のABS
あとエアコンや冷蔵庫の温度調整機能
身近じゃないところでは飛行機やロケットの制御
火力発電所や原子力発電所の出力調整
もちろんアシモとかの二足歩行ロボットでも使う。

エアコンを例にとろう。
設定温度が28度だとする。
でも部屋の温度は30度。ちょっと蒸し暑い。
そこでエアコンは部屋の温度を「感じる」
観測してみると部屋の温度は28度で、設定温度は30度。
差=30-28=+2
あと2度冷やしたいから少し強めにがんばろう。

頑張りすぎた結果24度になりました。
差=24-28=-4
エアコンさんはもっと暖めないとと思い、冷房を切ったり暖房をつけるわけです。
(暖房はつけないけどな)

差に注目して差を無くすように調整し続けることで
物(位置、速度)や現象(温度とか、電力とか)をターゲットに近づける
これをフィードバック制御と言います。
インバーターエアコンって呼ばれているものはこれをやってる。

ロボットに話を戻しましょう。
歩かせるのに必要なことは
「軌道生成」と「軌道への追従」

ロボットの状態を見ながら、コケないように体を前に進めるには足のつま先をどこに導けばいいのだろう
これが軌道生成。現在世界中の研究者が血眼になって研究しています。
世界最先端はホンダ技研とボストンダイナミクス

軌道への追従はつま先を軌道へ持っていくにはモーターにどの程度電気を流せばいいのだろう
かという話
これは30年くらい前に完成した枯れた学問。
複雑でなければ僕でも解けます。

「コケないように」に着目すれば話はロケットに遡ります。

あなたも小学生時代にホウキを手のひらに立ててバランスをとる遊びを
やって先生に怒られた経験、ありますよね。
もしくは1輪車でもいい。
細長いものを倒れないように支え続ける、
これを制御の世界では倒立振子(とうりつしんし)と言います。

よくよく考えればロケットやミサイルがまっすぐ飛ぶのって凄いでしょう。
たとえばロケット花火って長い棒がくっついてますよね。
あの棒を外して火をつけるとロケット花火は暴走し、あさっての方向にすっ飛ぶわけです。

ロケットも安定させるため、長い棒の代わりに尾翼がついているけど
それが効果を発揮するのは大気圏の中だけの話
宇宙空間では役に立ちません。

ロケットをフラフラさせずにまっすぐ飛ばすため、
常にセンサーが傾きを捉えて微調整しているからまっすぐ飛ぶ
これを生かした身近?な製品がセグウェイ。
そして、2速歩行ロボットもそうです。
あと、ベクタースラストノズル付きの戦闘機とかね。

人間がコケずにバランスを取る、この本能的な動きを物理と数学で解釈したのが倒立振子

まだまだ進化の余地はあります。

二足歩行ロボットはやっと階段を下りることができるようになりました。
でもまだ不整地はそれほど歩けません。
木や崖を登る日はまだ遠いと言えますがそのうちどうにかなるレベルだと思います。

だがここに立ちはだかる大きな問題

それは電源。
アシモじゃフルマラソンを完走できない。
人間は1週間くらいなら水さえあれば死なない。
アシモの電池は一日もつのでしょうか。

車もロボットも最後はパワーサプライの問題に行き着く。
けっこうここの克服は難しいです。
そういった意味では先が長いかなぁ。

人間ってやっぱりすごいなぁ、という結論で本日の与太話は終わりにしときますね(`・ω・´)

金曜日, 10月 02, 2009

Mixiやめますた

どうも久しぶりです。

諸般の事情によりMixiを辞めたXELです。
ちなみにゼルって読みます。
ミクシーではやっちーと名乗ってました。

あまりにもブログを更新していないので軽く近況報告致しますと

某大学の大学院工学部を無事に卒業

半導体装置関係のメーカーに就職

最近は最新のデバイスを測定するための技術の開発やら設計業務を行っております。
私事でいうと年末に彼女と別れ、若干精神不安定気味だったのですが
さいきんようやく立ち直ったところです。

私事を書くと長くなるので辞めときますwwww


女ネタ以外だとシルバーウイークは長野へバイクツーリングへ行ってきました。
美ヶ原、良いところですね。また行きたいものです。

最近手元にある乗り物は
ユーノスロードスター(NA8C)
SV650
アドレスV125

バイク2台と車1台の幸せライフを満喫しております。
可処分所得の7割は乗り物で吹っ飛んでいる感じかな。

ぼちぼち元気っすよ。

日曜日, 6月 29, 2008

インタビューが掲載されました。

大学時代に在籍していた自動車研究部の広報誌に自分へのインタビューが掲載されています。
TG-01開発余談」ってところです。
もしよろしければご笑覧くださいませw

近況報告 群馬県なう

無事に学校を卒業し、
新天地群馬県にてサラリーマンエンジニアの見習いを営んでおります。

卒業間際は大変でした。
なにせ、卒研に取り掛かったのが半年前。
大学院の間は延々と学生フォーミュラにはまってましたから。
学生フォーミュラが終わってからも建築屋向けの業務用CAD兼、自動設計ソフトの開発というアルバイトに片足突っ込んで、それが面白いようにデスマーチ化し、ますます研究に割く時間がへる始末。

研究は研究で
「何か新しいことをやらないと!」
と思って先輩の研究を引き継がず、
「何をやろうかなー」
と物思いに耽っていたら時間切れだし。。。。

でも、今思えば全てが上手く行きました。
アルバイトをやったおかげでC++のスキルはうなぎ登りに上昇。
研究はデジタル制御なのでハード、電気、ソフトは三位一体で不可欠なんですが
C++のスキルが上達したのでなんとか開発が間に合いました。

実験装置は学生フォーミュラで鍛えた設計ノウハウで1週間くらいでCADに起こせましたし。

何事も後先考えないでとりあえずやってみる重要性を学びましたね。

短い研究を通して物理シミュレーションのテクニックや画像処理のやり方を学びましたので
そのうちご報告したいと思います。


さて、現在やっている仕事ですがー

半導体業界にいます。
半導体製造装置を作る会社で働いておりまして
現在研修期間中です。

希望配属先はメカ設計。
これは子供の頃からの夢なので絶対叶えたいと思います。


この世の全てのデジタルデバイスの信頼性の保証に、わが社の製品は必要不可欠。

私が頑張ることで皆さんのデジタルライフがより確かなものになるでしょう。
より良いデジタル製品がより高い品質で生産できるよう、
頑張っていきたいと思います。


ところで最近メモリの値段が安いですよね。
学生の頃はあんなに喜んでいたのに。。。。。
いざ作る側に回るとこんなに憎らしいとは思いもしませんでしたwwwww

DDR2じゃ商売にならないので早いところDDR3とか、他の企画に変わんないかなぁwww

なお、ある意味オーバークロックのプロになるかも!?です。

では。

月曜日, 9月 10, 2007

全日本学生フォーミュラ大会

全日本学生フォーミュラ(公式)
全日本学生フォーミュラ 9月12-15日(レスポンス)


後輩たちがめっちゃ頑張ってすごいマシンを完成させつつあります。
もちろん僕も少し手伝っております。
おそらく4気筒エンジンを搭載しているマシンとしては世界最軽量クラスなマシンです。
大学内にオートクレーブ作ってカーボンを自分で焼き上げる奴らなんて、日本の大学だとまだ珍しいのではないかと思います。

今年は私自身、
「部活ばっかりやってないでいい加減研究しろやボケが」
と教授に怒られるまではわりと頑張ってましたが。
最近は見守るだけですね。さびしいものです。

学生フォーミュラは高専ロボコンと並んで俺の青春です。

部の立ち上げからスポンサー獲得などの営業、
運営、
海外校との交流、学校代表ドライバーなど、

部員みんなで力を合わせて色々な方面で頑張りました。

わが大学の活躍にご期待ください。

豊橋技術科学大学自動車研究部(公式HP)

2007年度マシンの紹介
↑今年のマシン
マシンの基本コンセプトやレイアウトも多少口だしした記憶があります。
マフラーの基本設計を俺が担当しました。
製作は後輩に丸投げしましたが、情報収集、設計、製作方法や材料調達、ジグの設計など、
いろいろ頑張りました。
地味に情報収集が難しかったですね。
いろんなところに電話かけたり、いろんなマシンを見学したり、
日本の量産車マフラー最大手企業の技術者に相談に行ったり、
日本一のレーシングマフラーメーカーの技術者と仲良くなったり、
マフラー材料屋さんにアポなしで乗り込んだり、
フットワークが命ですよね。

サイレンサーの軽量コンパクトさは我ながらなかなかのレベルだと思います。

2006年度マシンの紹介 
↑去年のマシン設計監督を俺が担当

そんなわけで今週末は完全燃焼やで!!!!



ああそういえば昨日で車の初心者マークが外れたよっ!!

なにせ、昨年俺が学校代表ドライバーに選ばれてから運転免許を取り始めたからねwwwwww
初心を忘れずに頑張ろう!!


最近の近況としては、佐賀トライアスロン大会を今年も完走しました。