適切なパラメータを選択できるか否かは
仕事の効率や成果に直結する
非常に重要な課題
だと思うのですが、その一方で、誰しも直感でえいやーって
選んでしまうものです。
僕はもっと慎重にパラメタ選定すべきと思うな!!
このコンテンツでは物理量、や次元、
パラメータ選択のヒント、
そしてエネルギーという概念の有効性について
まとめてみました。対象者はメカ/電気のエンジニアです。
結論を先に言うと、エネルギーという概念は便利だということです。
何を計り、どんな量で考えるか?
現象の本質に迫るには、計って考える必要があります。結論から言うと、
計り易い量と、考え事に向いている量は
まったく異なるため、
計測する物理量と検討に使う物理量は
ちゃんと分けて考える必要があります。
ここをごちゃ混ぜにすると、本質には迫れません。
これができていないエンジニアが意外と多い気がしたので
今日は次元について語ります。
考え事に向いている次元
僕の経験によれば、考え事に向いている量は以下3つが挙げられます。
無次元量
物理量をバッキンガムのπ定理で削ぎ落とし、最終的にのこった変数
考え事には向いているのに直接計測が不可能な典型的例
メカ アスペクト比、ラジアン、比重、原子量、レイノルズ数、ヌセルト数、プラントル数、
グラスホフ数、マッハ数、レイリー数、
ゾンマーフェルト数、ポアソン比 電気 サイクル 、
Q値、ゲイン、SN比、アーラン数、比誘電率、磁化率
力
力学でもっとも大切だけど、もっとも定義が曖昧な自己矛盾をはらむ量。
完全に理解している人はたぶんいない。
本質的に測定は難しい。
フックの法則を使って間接的に計る方法が多い。
保存量
時間変化しない。適切な系であれば座標変換から解放される。直接計測は極めて難しい。
もちろん、本題のエネルギーもまた保存量。
その他、かなり考え事に便利な量
- 上記に対しての各種モーメント量
- 時間発展が知りたいときは、状態量(p,x)
- 熱力学なら状態量(圧力・エントロピーとか)
- 波動関数ならインピーダンス
考え事に向いている量は どれもこれも本質的に計測が難しい
ということです。
計り易い次元の例→基本単位
そもそも測り易くて原器が作り易いから、基本単位測りにくい次元の例→力
- 第一原理で力が現れる式は少ない
- 計測の過程で物理変換が多数入る。
- 計測にキャリブレーションが必要
- 6自由度を独立して計測することが極めて難しい
- 観測が対象に必ず影響を与えてしまう。
エネルギーという概念の素晴らしさ
メリット- 保存量かつスカラー ⇒物理法則の対称性に基づく、
- 次空間座標からの解放
- 系の取り方が間違いなければ、正確な議論が可能
- 現象をまたげる。例:エネルギー変換
- 身近な現象は全部エネルギーに置き換えることができる
- 演算が足し算と引き算しかない
デメリット
- 直接観測できない。
- 変換しなければいけない。
- 系のとりかたはとても難しい。センスがいる。
定義は
力×変位の空間方向積分
一般化したらフロー×エフォート=運動量×力
ちなみに波動関数で記述可能な現象は、
フローとエフォートの積であるエネルギー率
で分析するだけでなく、
フローとエフォートの商であるインピーダンス
も合わせて議論する方が望ましい。
なぜ品質工学は的を得ているのか、 その物理学的側面からの考察
- エネルギーの次元で考え、
- エネルギーに類する測り易い量を計測し、
- デシベル・ゲインという無次元数(エネルギーの比)で整理する。
エネルギーに紐付けられない品質工学は間違っています
(私の信念であり裏付けはありません)
私のメッセージのまとめ
考えやすい物理量を無理して測ろうとしていませんか?計測しやすい物理量で無理して考えていませんか?
エネルギーという概念はとても便利です。
意識的に多用しましょう!
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