月曜日, 1月 20, 2014

研究開発時のパラメータ選択方法

研究開発時において、
適切なパラメータを選択できるか否かは
仕事の効率や成果に直結する
非常に重要な課題だと思うのですが、
その一方で、誰しも直感でえいやーって
選んでしまうものです。

僕はもっと慎重にパラメタ選定すべきと思うな!!

このコンテンツでは物理量、や次元
パラメータ選択のヒント、
そしてエネルギーという概念の有効性について
まとめてみました。

何を計り、どんな量で考えるか?


現象の本質に迫るには、計って考える必要があります。

結論から言うと、
計り易い量と、考え事に向いている量は
まったく異なるため、
計測する物理量と検討に使う物理量は
ちゃんと分けて考える必要があります。
ここをごちゃ混ぜにすると、本質には迫れません。

これができていないエンジニアが意外と多い気がしたので
今日は次元について語ります。

考え事に向いている次元

僕の経験によれば、
考え事に向いている量は以下3つが挙げられます。
無次元量
物理量をバッキンガムのπ定理で
削ぎ落とし、最終的にのこった変数
考え事には向いているのに
直接計測が不可能な典型的例
メカ
アスペクト比、ラジアン、比重、原子量、
レイノルズ数、ヌセルト数、プラントル数、
グラスホフ数、マッハ数、レイリー数、
ゾンマーフェルト数、ポアソン比 電気
サイクル 、
Q値、ゲイン、SN比、アーラン数、比誘電率、磁化率
力学でもっとも大切だけど、
もっとも定義が曖昧な自己矛盾をはらむ量。

完全に理解している人はたぶんいない。
本質的に測定は難しい。
フックの法則を使って間接的に計る方法が多い。
保存量
時間変化しない。適切な系であれば座標変換から解放される。

直接計測は極めて難しい。 
もちろん、本題のエネルギーもまた保存量。

その他、かなり考え事に便利な量
  • 
上記に対しての各種モーメント量
  • 
時間発展が知りたいときは、状態量(p,x)

  • 熱力学なら状態量(圧力・エントロピーとか)
  • 
波動関数ならインピーダンス 
ポイントは、
考え事に向いている量は
どれもこれも本質的に計測が難しい
ということです。

計り易い次元の例→基本単位

そもそも測り易くて原器が作り易いから、基本単位

測りにくい次元の例→力

  • 第一原理で力が現れる式は少ない 
  • 計測の過程で物理変換が多数入る。
  • 計測にキャリブレーションが必要 
  • 6自由度を独立して計測することが極めて難しい 
  • 観測が対象に必ず影響を与えてしまう。

エネルギーという概念の素晴らしさ

メリット

  • 保存量かつスカラー
⇒物理法則の対称性に基づく、
  • 次空間座標からの解放
  • 系の取り方が間違いなければ、正確な議論が可能
  • 現象をまたげる。例:エネルギー変換
  • 身近な現象は全部エネルギーに置き換えることができる
  • 演算が足し算と引き算しかない

デメリット

  • 直接観測できない。
  • 変換しなければいけない。
  • 系のとりかたはとても難しい。センスがいる。 

定義は
力×変位の空間方向積分
 
一般化したらフロー×エフォート=運動量×力

ちなみに波動関数で記述可能な現象は、
フローとエフォートの積であるエネルギー率
で分析するだけでなく、
フローとエフォートの商であるインピーダンス
も合わせて議論する方が望ましい。

なぜ品質工学は的を得ているのか、 その物理学的側面からの考察

  • エネルギーの次元で考え、

  • エネルギーに類する測り易い量を計測し、
  • 
デシベル・ゲインという無次元数(エネルギーの比)で整理する。
だからこそ「本質を究める」ことが可能となります。
エネルギーに紐付けられない品質工学は間違っています

(私の信念であり裏付けはありません)

私のメッセージのまとめ

考えやすい物理量を無理して測ろうとしていませんか?
計測しやすい物理量で無理して考えていませんか?
エネルギーという概念はとても便利です。
意識的に多用しましょう!

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